株式会社プランテック

よりよい環境を創造するエンジニアリング会社​

新着情報 詳細

UNEP IETC発行『医療廃棄物処理技術概要集』で竪型ストーカ式焼却炉が紹介されました

「感染性医療廃棄物を安全かつ効率的に処理できる焼却プラント」

当社が開発した竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)が、国連環境計画 技術・産業・経済局の補助機関で、廃棄物処理や水処理技術等の開発途上国における導入促進を目的に活動する国際環境技術センター(以下、UNEP IETC)より9月6日に発行された『医療廃棄物処理技術概要集(Compendium of Technologies for Treatment/Destruction of Healthcare Waste)』において、感染性医療廃棄物の安全かつ効率的な処理技術の一例として紹介されました。

Compendium of Technologies for Treatment / Destruction of Healthcare Waste
▲医療廃棄物処理技術概要集の表紙

昨今、開発途上国においては、感染性医療廃棄物を一般廃棄物とともに処分場にそのまま廃棄することによる二次感染の問題や、旧式で排ガス処理も不適切な焼却炉の使用による環境汚染等の問題が深刻化しております。

今回発行された『医療廃棄物処理技術概要集』は、そうした問題の解決の一助となるよう、開発途上国で需要の高まる感染性医療廃棄物の安全で効率的な処理技術に関する信頼できる情報源として、UNEP IETCが発行し、ウェブサイト上で無料公開したものです。

感染性医療廃棄物の性状や処理方法から、多様な方式の具体的な処理技術の一覧、さらには処理の目的や予算に合わせた最適な技術の選択方法の助言まで、幅広い観点からの情報を網羅的に掲載しており、開発途上国における適切な処理技術の効率的な導入・利用促進が期待されます。

当社の竪型ストーカ式焼却炉は、感染性医療廃棄物を効率的に処理できる焼却プラントの一種として同概要集の183~184ページで紹介されました。

同炉は、炉内に厚く積み上げた廃棄物の下方から低空気比の燃焼空気を送り、廃棄物を乾燥、炭化させてから燃焼させる当社独自の廃棄物の燃焼に最も適したSLA燃焼方式(*1)による高い熱効率により、廃棄物の分別や炉内投入前の攪拌等の前処理が不要で、一般廃棄物から産業廃棄物、汚泥等、幅広い廃棄物の焼却を実現しました。こうした特長により、二次感染防止のために箱や袋等に密封され、発熱量等の廃棄物性状にもばらつきの多い医療廃棄物の専焼も可能となりました。

また、運転中に灯油や重油等の助燃剤の必要がないためランニング・コストを抑えられるほか、他形式の焼却炉と比較して、可動部分が少ないシンプルな炉構造のため機械的故障が少ない、かつ、運転が容易なため運転人員数を減らせる等の運転・維持管理におけるコスト優位性は、今回発行された概要集を今後自国における技術選定に役立てる開発途上国において大きな利点となると思われます。

当社は今後も環境エンジニアリング企業として、国内外を問わず、廃棄物処理問題の解決に寄与できるよう努力を続けて参ります。

*1 SLA(Super Low Air-ratio)燃焼方式とは、当社が1990年に開発した竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)で採用した、多様な廃棄物の安定燃焼に適した超低空気比燃焼技術。一次燃焼空気を理論空気量の約1/2まで低減でき、廃棄物を抑制燃焼した後、豊富な二次燃焼空気を用いて未燃ガスを完全燃焼(二段燃焼)することにより、一般廃棄物、産業廃棄物、医療廃棄物、汚泥等、幅広い廃棄物の安定燃焼を可能とした技術です。

■『医療廃棄物処理技術概要集(Compendium of Technologies for Treatment/Destruction of Healthcare Waste)』
●発行 国際連合環境計画(UNEP) 技術・産業・経済局(DTIE)国際環境技術センター(IETC)
●発行日 2012年9月6日
ダウンロードページはこちら
Compendium of Technologies for Treatment / Destruction of Healthcare Waste 

■国際連合環境計画(UNEP) 国際環境技術センター(IETC)
国際環境技術センター(IETC)は、開発途上国などに対し、環境に適正な技術の移転や利用の支援や情報の提供を行い、これらの国々の持続可能な開発を支援するため、日本に設立されたUNEPの技術・産業・経済局(DTIE)に所属する機関です。
●名称:国際連合環境計画(UNEP)国際環境技術センター(IETC)
United Nations Environment Programme (UNEP) – International Environmental Technology Centre (IETC)
●事務所: 大阪市鶴見区緑地公園2-110
●所長: マシュー・ガブ
●活動内容: 開発途上国で廃棄物の適正な処理と管理の必要性が広く求められるなか、廃棄物管理と水と衛生の2分野での環境に適正な技術の振興と移転支援を中心に活動を行っている。
●URL: http://www.unep.or.jp/japanese/