株式会社プランテック

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宮城・南三陸の仮設焼却施設で火入れ式

年間約10万トンの処理能力を持つ焼却炉で被災地の復興を支援

当社が宮城県本吉郡で建設していた宮城県「災害廃棄物処理業務(気仙沼ブロック(南三陸処理区))」の仮設焼却施設(総処理能力285トン/日)の火入れ式が、9月15日(土)に執り行われました。

当社は、宮城県の災害廃棄物処理業務(気仙沼ブロック(南三陸処理区))を清水・フジタ・鴻池・東亜あすなろ・銭高・浅野特定業務共同企業体が受託したことを受けて、同業務の災害廃棄物焼却処理施設の建設と運転管理を受託されたDOWAエコシステムより仮設焼却施設の建設工事を請け負っていました。

火入れ式は、同特定業務共同企業体が主体となって実施され、宮城県、南三陸町などの行政・自治体関係者や工事関係者が出席しました。

火入れ式の様子
▲火入れ式の様子

今回、火入れ式が行われた仮設焼却施設は、24時間運転で1日あたりの処理能力が95トンの焼却炉3炉で、総処理能力は285トン/日です。

焼却炉には、当社が開発した竪型ストーカ式焼却炉が採用され、3炉のうち1炉では廃プラスチック類、木くず、紙くずなどの混合物の焼却処理、他の2炉では木くずの焼却処理を行います。

当社では、10月からの本格稼働スタートに向けて、可燃性のがれきを焼却する負荷運転を行いながら、性能試験を実施していく予定です。

同施設は年間で約10万トンの処理能力を有しており、災害廃棄物の迅速かつ適切な処理により震災からの復興を支援してまいります。

焼却施設外観
▲焼却施設の外観

南三陸町で発生した災害廃棄物は、約81万7000トンとなっており、可燃ごみ(木くずや粗大・混合ごみ(可燃))は、16万8000トンと見込まれ、このうち宮城県が処理する可燃ごみは、約12万3000トンとなっています。

災害廃棄物は、一般廃棄物として焼却処理されますが、津波の影響で塩分を含んでいることや土砂が含まれています。こうした産業廃棄物に近いごみの性状に対して、迅速かつ適切な処理ができる焼却設備を設置していくことが求められます。

竪型ストーカ式焼却炉は、炉内に厚く積み上げた廃棄物の下方から低空気比の燃焼空気を送り、廃棄物を乾燥、炭化させてから燃焼させる当社独自の廃棄物の燃焼に最も適したSLA燃焼方式(*1)による高い熱効率により、廃棄物の分別や炉内投入前の攪拌等の前処理が不要で、一般廃棄物から産業廃棄物、医療廃棄物、汚泥等、幅広い廃棄物の焼却を実現しました。

燃焼の安定性に起因する高い公害防止性能は、これまでの建設施設の性能実績により確認され、COゼロ(平均値)、未燃ゼロ、ダイオキシン類の大幅低減を実現しています。

また、運転中に灯油や重油等の助燃剤の必要がないためランニング・コストを抑えられるほか、他形式の焼却炉と比較して、可動部分が少ないシンプルな炉構造のため機械的故障が少ない、かつ、運転が容易なため運転人員数を減らせる等の運転・維持管理におけるコスト優位性も大きな特長となっています。

当社は今後も環境エンジニアリング企業として、国内外を問わず、廃棄物処理問題の解決に寄与できるよう努力を続けて参ります。

*1 SLA(Super Low Air-ratio)燃焼方式とは、当社が1990年に開発した竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)で採用した、多様な廃棄物の安定燃焼に適した超低空気比燃焼技術。一次燃焼空気を理論空気量の約1/2まで低減でき、廃棄物を抑制燃焼した後、豊富な二次燃焼空気を用いて未燃ガスを完全燃焼(二段燃焼)することにより、一般廃棄物、産業廃棄物、医療廃棄物、汚泥等、幅広い廃棄物の安定燃焼を可能とした技術です。

■焼却設備概要
●工事名称: 災害廃棄物焼却処理施設建設工事【気仙沼ブロック(南三陸処理区)】
●設置場所: 宮城県本吉郡南三陸町戸倉地内
●工期: 平成24年5月15日~平成25年9月30日
●焼却炉形式: 竪型ストーカ式
●能力:
1) 1号炉
規模:95トン/24時間
処理物:廃プラスチック類、木くず、紙くずなどの混合物

2) 2号炉
規模:95トン/24時間
処理物:木くず

3) 3号炉
規模:95トン/24時間
処理物:木くず

●余熱利用 焼却炉からの排熱を乾燥設備に利用